【古代エジプトの優れた入門書】ロザリー・デイヴィッド『古代エジプト人 その神々と生活』

歴史

こんにちは、アマチュア読者です!

今回ご紹介するのは、ロザリー・デイヴィッド『古代エジプト人 その神々と生活』です。

著者はロンドン大学でエジプト学を学び、リヴァプール大学では主に古代エジプトの宗教儀式についての研究を行い、博士号を取得しています。

本書は古代エジプト人の宗教思想や慣習に関する研究を紹介することを目的としています。

構成は時系列になっているので、各時代の内容を把握しやすいです。

「第一章 先王朝および初期王朝時代の社会」、「第二章 古王国時代」、「第三章 第一中間期と中王国時代」、「第四章 新王国時代」、「第五章 他の宗教への影響」と続きます。

巻末には古代エジプトの文学作品やピラミッドに内部に刻まれている「ピラミッド・テキスト」が抜粋して収録されています。

現代にも通底する基本的な礼儀作法や道徳観などの教訓めいた内容(「すべての者から学ぶことができる」「貪欲に用心しなさい」「世の中で成功したものをねたむな」)を目にすると、5000年以上も前でも理想的な人間のあり方は変わっていないのだと感じられ、歴史を学ぶ面白みが増します。

本書を読むと、古代エジプト文明は政治と宗教が密接に関わっていた時代に存在しており、為政者である王とその側近である神官のパワーバランスが栄枯盛衰を語る上でのキーワードであることがわかります。

他国との交流や侵略の影響によって宗教観も変遷し、王国を維持するために為政者が採用した政策と深くつながっています。

現代では政教分離がクローズアップされ、一種の前提条件になっているように感じられることもありますが、信仰心の篤い国にとっては政治と宗教は切っても切り離せない関係なのだと強く思わされます。

古代エジプトの歴史について詳しくない、私のような読者でも楽しんで読み通せる作品です。

ぜひ読んでみてください!

わたしが本書に出会ったのは、『世界哲学史』というシリーズ作品を読んでいるときでした。

古代から現代までの西洋中心の哲学を再検討する壮大な試みがされているのですが、古代エジプトの世界と魂について詳しく知りたい人のためのおすすめ書籍に本書が選ばれていました。

『世界哲学史』シリーズは非常に読み応えのある大作なので、こちらもご興味があれば手に取ってみてください!

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