こんにちは、アマチュア読者です!
今回は、0歳児からでも楽しめるオススメの読み聞かせ絵本をご紹介します。
実際に子どもに絵本の読み聞かせをした経験をもとに選び、出版された順に普遍的なエッセンスの詰まった古典的なものから、最近はやっている作品まで幅広く取り上げています。
まだ視力が十分に発達していない0歳児でも、はっきりした色が使われている絵本には興味を示してくれます。
親子のコミュニケーションツールにもなる絵本で、子どもと楽しく時間を過ごしましょう!
『いない いない ばあ』
1967年の初版から増刷を重ね、2022年10月20日時点で改版274刷がされている累計発行部数700万部超のロングセラー絵本です。
ねこやくま、ねずみやきつねが「いない いない ばあ」をして読者を楽しませてくれます。
実際にいないいないばあをしても赤ちゃんは喜んでくれますが、本書に登場する動物たちが一緒にいるとまた違う笑顔が見られます。
言葉を発し始める時期になると、「いない いない」に続いて一緒に「ばあ!」と言ってくれることもあります。
『いい おかお』
一人で「いいおかお」をしていたふうちゃんのもとに、ねこやいぬやぞうたちがやって来て、一緒にいいおかおをします。
「いいおかお」をしていれば、まわりに良い影響を与え、みんながにこやかになることを本書は教えてくれます。
とてもシンプルなお話で教訓めいた作品ではないのに、気づけば読んでいる人の気持ちがほっこりする素晴らしい絵本です。
『もこ もこもこ』
詩人の谷川俊太郎氏と画家で絵本作家でもある元永定正氏によって手掛けられたこの絵本は、「しーん」としたところに何やらもこもこしたものと、にょきにょきしたものが登場します。
もこもこしたものとにょきにょきしたものは、それぞれ大きくなっていきますが、食べたり食べられたりして何かが生まれ、また消えていきます。
あれこれと意味を考えてしまいますが、「これはなんだろう?」と不思議に思うことが大切なのだと、読み聞かせている側も童心に帰らせてくれる素敵な作品です。
『こんにちは』
くまさんが植物やすれちがった動物たち、牛乳屋さん、新聞屋さん、そしてお母さんとお父さんに「こんにちは」と優しげにあいさつします。
「こんにちは」とあいさつするのは大切なことですが、どのような気持ちを込めて、どのようなふるまいをするべきなのかを言葉で説明するのは意外に難しいものです。
この絵本に登場するくまさんを見ていると、「こうしてみたらいいよ」というメッセージとともに模範を示してくれているように感じます。
絵本における絵の役割がいかに重要かを再認識できる作品です。
「1才半~4才むき」と書かれていますが、0歳でもこの絵を見るだけで育まれる感受性は大きいと思います。
『ころ ころ ころ』
作者はモダンアートの世界で国際的に活躍した元永定正氏です。
元永氏は、先に紹介した『もこ もこもこ』の絵も担当されています。
いろだまが階段やでこぼこ道、坂道などを「ころ ころ ころ」と転がっていくこの絵本は、様々な色をしたいろだまが辿る道を追っていくだけもおもしろく読めます。
大人のなかには、いろだまの進んでいく道は自分が置かれている世界や人生とむすびついていると捉える方もいるかもしれません。
そういった想像を喚起する本作は、子どもにどのような発想を生み出させるのか、非常に興味深いです。
『がたん ごとん がたん ごとん』
イラストレーターであり、絵本作家、エッセイストとしても有名な安西水丸氏が生み出したロングセラー絵本です。
「がたん ごとん がたん ごとん」と進んでいく機関車に、哺乳瓶や食器、果物などさまざまなキャラクターが「のせてくださーい」とお願いして乗せてもらいます。
赤ちゃんに伝わるように「がたん ごとん がたん ごとん」とゆっくり読むと大人も愉快な気持ちになり、何度読んでも聞き手の赤ちゃんが飽きない素晴らしい作品です。
『ごぶごぶ ごぼごぼ』
ページを開くと、青い背景に黄色い丸と赤い丸、黄色い丸の中には水色の丸も見えます。
「ぷーん」という響きに大喜びの赤ちゃんも多いはずです。
さまざまな大きさのカラフルな丸で構成されているこの絵本は「ぷく ぷく ぷく ぷくん」「ど ど どぉーん」「ごぶ ごぶ ごぼ ごぼ」といった独特なフレーズとあいまって赤ちゃんの心を鷲づかみにし、ロングセラーとなっています。
グラフィックデザイナーとしても活躍された駒形克己氏が手掛けた初めての絵本です。
『なーんだなんだ』
パンダの黒い耳がアップになって「なーんだ なんだ くろいの ふたつ」と始まるこの絵本は、少しずつパンダの顔全体がわかるように話が進んでいきます。
表紙がパンダなので、大人からすると「そんなのパンダに決まっているじゃないか」と思うかもしれませんが、「なーんだ なんだ」というリズミカルな言葉と徐々に明らかになっていくパンダ像に子どもは笑顔になります。
白と黒のコントラストがはっきりしているパンダということもあって、視力が発達途中の0歳児でも認識できて楽しめるのかもしれません。
『ととけっこう よがあけた』
「ととけっこう よがあけた まめでっぽう おきてきな」と子どもたちを起こす元気なニワトリが歌うわらべ歌が絵本になっています。
ひよこや子猫、子豚など、いろんな子どもたちが「おはよう」と笑顔で起きてくるので、「ととけっこう よがあけた ○○ちゃん おきてきな」と歌の中にお子さんの名前を入れてあげると喜んでくれます。
文章のリズムが軽快なので、読んでいて気持ちの良い作品です。
『ひまわり』
小さな種が土の中から芽を出して、「どんどこ どんどこ」と伸びていきます。
太陽の光をいっぱい浴びて、雨に打たれ、風に吹かれ、みんなが寝静まっても「どんどこ どんどこ」健気に成長していく様子に元気が湧いてきます。
見開きいっぱいの大きなひまわりは迫力満点です!
『ぞうくんのさんぽ』
いい天気でご機嫌なぞうくんが散歩に出かけると、かばくん、わにくん、かめくんに出会います。
一緒に散歩に行こうと誘うと、「背中に乗せてくれるならいいよ」という返事が。
力持ちのぞうくんは、みんなを背中に乗せますが、はたして散歩を楽しめるのでしょうか。
優しい絵のタッチとセリフのフォントが絶妙に合っていて、見ているだけでも心が和みます。
『わんわん にゃーにゃー』
いぬとねこが出会って、とても不思議なふれあい方をします。
基本的に「わんわん」「にゃーにゃー」の2種類の鳴き声しか使われていないのですが、読み聞かせをしている側が思わず笑ってしまうような展開で話が進んでいきます。
非常にシンプルで短い作品でありながら、年齢に関係なく楽しめるところがすごいです。
この作品は、絵本だけでなく漫画、挿絵、装丁、エッセイなど幅広い分野で活躍した長新太氏が亡くなる数ヶ月前に描いたラフスケッチに、イラストレーターの和田誠氏が色をつけて完成させたものです。
この経緯を知ると、この絵本にどのような気持ちが込められていたのだろうと考えさせられます。
『だるまさん』シリーズ
絵本作家のかがくいひろし氏による『だるまさんが』『だるまさんの』『だるまさんと』の三部作シリーズです。
「だーるーまーさーんーが」「だーるーまーさーんーの」と繰り返して読み聞かせると、赤ちゃんも徐々に興味が湧いてきます。
やさしく目を閉じたり、両目を交互にウィンクしたり、手袋や歯ブラシを手に持ったりしながら左右にリズムをとるだるまさんのイラストが可愛らしく、やさしいタッチに読み手も聞き手も癒されます。
『しましまぐるぐる』
黒、白、赤、青といったコントラストの強いはっきりした配色で構成された『しましまぐるぐる』は、生後6ヶ月くらいまでの赤ちゃんでも興味を持ってくれる絵本です。
「しましましま」「ぐるぐるぐる」の世界が、かわいいキャラクターたちとともに交互に現れます。
読み聞かせする側も愉快な気持ちになり、何度も読んでしまう作品です!
2009年に第一刷が世に出てから、2023年3月20時点で49刷という人気の絵本です。
かわいいマスコット付の知育遊びセットも発売されています。
『あめかな!』
表紙にあるように、独特のタッチで描かれたこの絵本は、絵だけを見ると「いったいどんな話なのだろう?」と想像力を掻き立てられる作品です。
雨や水に興味を持っている赤ちゃんであれば、何度読んでも飽きずに見てくれるはずです。
最後に晴れ間が差して、「ぱあっ ぱっ ぱぁ」と花が咲く場面に満面の笑みを浮かべてくれるかもしれません。
『もりのおふろ』
森の奥でお風呂がわいているところに、ライオンがやってきます。
ライオンがからだを「ごしごし しゅっしゅ」と洗っていると、ゾウにはじまり、ワニやブタ、ウサギたちがやってきて、輪になって背中を流し合います。
みんなで仲良くお風呂に入って「あー ごくらく ごくらく いいきもち!」と楽しんでいる場面では、一緒に「あー!」と元気な声を発してくれるかもしれません。
『やさいさん』
畑で「やさいさん やさいさん だあれ」と聞くと、いろいろな野菜たちが「すっぽーん」と仕掛け絵本から飛び出してきます。
にこやかな顔のにんじんさん、少し驚いた顔のごぼうさん、5つ一緒に飛び出してきたじゃがいもさんなど、個性的な野菜たちの表情がおもしろく、読み聞かせている側も楽しい気持ちになります。
「やさいさん やさいさん」という言葉のリズムも子どもに心地よく響くようです。
『がたん ごとん がたん ごとん ざぶん ざぶん』
前作『がたん ごとん がたん ごとん』の続編です。
こんどは機関車が海沿いを進んでいくところを、アイスクリームや麦わら帽子、とうもろこしなど海にゆかりのあるキャラクターに「のせてくださーい」と呼びかけられます。
みんなを乗せて、「がたん ごとん がたん ごとん ざぶん ざぶん」と進んでいくお話は、前作を何度も読んだ方には気分転換になるかもしれません。
前作と本作を別々に読むと、もしかすると赤ちゃんが「話が変わっちゃった!」とびっくりしてしまうかもしれません。
そんなときは2冊を並べて、「似ているけれど違う話なんだよ」と教えてあげてから読み聞かせると楽しんでくれます。
『いました』
何やら謎の生命体が、相手を「いました」と認識してよけたり、ぶつかったり、まざったりします。
それぞれの見開きページに書かれている言葉は少ないものの、不思議なキャラクターたちが織りなす世界は赤ちゃんに興味を湧き起こします。
それを見て、大人もこの絵本の意味について思いを巡らす機会が得られます。
心が温まる終わり方をしているところも素晴らしいです。
『ならびました』
『いました』と同じく、絵本作家の五味太郎氏が手掛けた『ならびました』は、ならんでははなれ、はなれてはならぶ展開で赤ちゃんの心をわしづかみにします。
「ならびました」「はなれました」というフレーズが繰り返され、並び方や離れ方、何やら怪しげなキャラクターもあいまって、赤ちゃんは興味を持って耳を傾けてくれます。
『ももんちゃん ぴょーん』
ももんちゃんが 「あたまを くりん くりん くりん」「おひざを ぐりん ぐりん ぐりん」「ぴょん ぴょん ぴょん」と体を動かすと、きんぎょさん、さぼてんさん、おばけさんも後に続きます。
最後はみんな一緒に「ぴょーーーん」と飛び上がり、無事に着地するとお互いに「みんな よく できました~ ぱちぱち ぱちぱち ぱちぱち~」と褒め合います。
温かい心のキャラクターたちに赤ちゃんも感化され、優しい笑顔を見せてくれます。
かわいいイラストで、読んでいる側も楽しい気持ちになる作品です。
『どんな いろが すき』
「どんないろがすき 「あか」 あかいいろがすき」というフレーズではじまる本書は、読み聞かせの歌絵本です。
歌のリズムが良いのはもちろん、赤ちゃんの興味を惹きつけるかわいいイラストが満載です。
赤、青、黄、緑のクレヨンが楽しそうに子どもたちと遊んでいる様子に、歌い聞かせている大人の気分も盛り上がります。
それぞれの色に関係する動物や植物、乗り物が描かれているところに、絵を手掛けた100%ORANGE(ひゃくぱーせんとおれんじ)さんのこだわりを感じます。
『りんごがドスーン』
大きな大きなリンゴが「ドスーン!」と落ちてきて、さまざまな動物や虫たちが寄ってきます。
「もぐ もぐ もぐ」「しゃり しゃり しゃり」「むしゃ むしゃ むしゃ」といろいろな食べ方をする動物たちの様子が可愛らしく、赤ちゃんも大喜びしてくれる絵本です。
『たいこ』
犬が太鼓を叩いて「トン トン トトトン」と遊んでいると、子どもが「なかまに いれて」と近寄ってきます。
「トン トン ポコ ポコ」と楽しんでいると、かえるが「なかまにいれて」とやってきます。
どんどん仲間が増えて、リズムよく盛り上がっているところに「ガオー」と怪獣がやってきて、みんな逃げてしまいますが、この先がまたおもしろい絵本です。
赤ちゃんが絵本に合わせて、笑顔で床をトントン叩くようになるとさらに楽しくなります。
『まるまる ころころ』
表紙から仕掛けがされている珍しい絵本で、大きな目をしたキャラクターたちがページを「あっちへ ころころ こっちへ ころころ」と縦横無尽に行ったり来たりします。
独特の音を響かせて仕掛けが動き、色使いもカラフルで文字もページごとに違った色のため、子どもの興味が尽きません。
6ヶ月未満の赤ちゃんでも楽しめる作品で、ページ数も少ないので何度も読めてしまいます!
『ぴーぴー ばっくしまーす』
ねずみさんが「ぴーぴー ばっくしまーす」と言いながら、後ろ向きにクレヨンのようなもので色をつけていると「どん」とうさぎさんにぶつかります。
おたがいに「あはは」と笑い合い、今度はうさぎさんが同じように「ばっく」していると、くまさんとぶつかります。
こうして次々にいろいろな動物が「ばっく」していく面白いお話です。
絵のタッチはもちろんのこと、手書きの文字も味わいがあるので絵本の手作り感が伝わってきます。
『かさ さして』
なす、かぼちゃ、ももなど、いろいろな野菜や果物たちが急に降ってきた雨に気づいて「れれれれれ」「げげげげげ」と反応しながらも、「ぱっと かさ さして いそいで かえろ」と傘をさします。
野菜や果物に関係する絵本の名作というとリアルな挿絵をイメージしがちですが、この絵本では可愛らしい表情の野菜たちが登場します。
野菜たちが差している傘の色には秘密があるのですが、それは本書を最後まで読むとわかります。
ふだんから野菜に親しんでいる方には当たり前のことでも、スーパーで売られている野菜しか目にしない方にとっては新鮮な発見になると思います。
子どもと一緒に大人も楽しく学べる絵本というのは素晴らしいですね。
おわりに
今回は0歳児からでも楽しめる、おすすめの読み聞かせ絵本をご紹介しました。
リズムの良い言葉で、はっきりした色が使われている赤ちゃん向けの名作絵本を読み聞かせて、読み手も聞き手も幸せな時間を過ごしてください!
言葉が少ないからこそ、ハッとさせられる解釈ができるので大人にもおすすめです!
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