【Crash Course 解説】ヨーロッパの歴史 #2

雑記

こんにちは、アマチュア読者です!

本を読むのが好きで、英語で読書会を開くために英語を勉強しています。

オンライン英会話で語学力をアップさせる取り組みがメインですが、YouTube動画でおもしろいものを見つけたら教材にして楽しく視聴しています。

私の好きな本のジャンルは古典と歴史なのですが、今回はどちらにも関わりがあって英語で学べる”Crash Course”というYouTubeチャンネルから、 ”Crash Course European History  #2”という動画をご紹介したいと思います。

Florence and the Renaissance: Crash Course European History #2

前回の”Crash Course European History  #1”についてはこちらにまとめています。

“Crash Course European History #1”では、14世紀の黒死病や戦争の影響によりヨーロッパの人口が減少したことで、労働力の価値が上がったことが説明されていました。

この事象は、社会のあり方について長年信じられてきた考え方が変わったことを意味しています。

この激動の中、フィレンツェの作家フランチェスコ・ペトラルカは14世紀の生活について批評を展開しています。彼は、「この邪悪な時代に、憂鬱な運命が私たちを不幸にしたことを軽蔑する」と嘆いています。

人々は自分が最悪の時代に生きているように感じるものかもしれません。

ヨーロッパの状況に喜びを感じることなく、ペトラルカはプラトンキケロといった古代の作家に目を向けました。

彼は自分の生きている時代を「中世」と呼び、彼の著作はルネサンス期の人々にとって大きな助けとなりました。

ペトラルカの著作としては、『無知について』がユマニスム(人文主義)の父として、ルネサンスの幕開けを告げる名著だと思います。

古代ギリシャの哲学者アリストテレスを祖とする自然哲学に知悉していないことは無知であるという批判に対して、ペトラルカは人間の本性を突き詰める大切さを説いて反論します。

「人文主義というのは歴史の中でこうして生まれたのだ」と実感できる一冊です。

ルネサンスにおける古典研究

復活復興を意味するルネサンスは、中世に曇らされていた古典の輝かしい栄光を人々に思い起こさせました。

しかしながら、中世はいくつかの点でルネサンスとともにありました。

学者たちがプラトンの翻訳を復活させ、イスラム世界の知識をまとめている一方で、腺ペストが猛威を振るい、農民がひどい生活状態に抗議していたことはその一例です。

ルネサンスの作家や思想家は古代の書物を研究し、特にキケロやタキトゥス、クインティリアヌスに注目しています。

ルネサンスにおける新しい思想は古典研究を基礎にしていました。

文法学、修辞学、論理学といったリベラルアーツは、神学、哲学、法学、薬学へとつながりました。

人文学系の学問の研究は天国や精霊ではなく、人間のスピーチやレトリック、論理、言語の正しい使用法に焦点を当てました。

言語といえば、彼らはたいていラテン語を前提にしていました。

ラテン語で書くことができ、ラテン語の演説ができることは、十分な教養があるとみなされるキーポイントだったのです。

この分野の能力は、自己を高めることや、フィレンツェやヴェネツィアのエリートの仲間入りをする前提条件として極めて重要だとみなされました。

ルネサンスの中心地

イタリアの都市国家は初期のルネサンスの中心地でした。

繁栄している都市では、芸術家や作曲家、作家、学者が商業とともに花開きました。

都市部の商人や製造業者は、ユーラシアやアフリカから商品やアイディアを持ち込んで新しいビジネスを起こしました。

いくつかの一族は巨万の富を得て、ルネサンス期の思想家や芸術家の世界を経済面でサポートしました。

金融機関も発展し、銀行家は都市部のイベントや豪華な大聖堂の建設に出資しました。

キリスト教支配下にあったローマ帝国以前の威厳あるデザインを備えた古典的な様式の建物にも資金援助をし、個人的に出資することもしました。

銀行家は、作品を完成させるための基金を必要としている芸術家にも出資していました。

その中にはボッティチェリミケランジェロも含まれていました。

ミケランジェロについては、ロマン・ロラン『ミケランジェロの生涯』を読むとどのような人生を送ったのかがわかります。

冒頭の「真の勇気は世界をありのままに見ることである。そしてそれを愛することである。」というフレーズに引き込まれて、一気に読んでしまいました。

ルネサンス期の芸術家というと華やかなイメージを持っていましたが、本書を読むと「自由とは何か」を考えさせられます。

ぜひ読んでみてください。

市の政府もまたルネサンスの重要なパトロンであり、個人の指導者も自身の収入の6%ものお金を芸術に当てました。

地位の向上や正当な評価のため、そしてもちろん芸術に対する愛のために身銭を切っていたのですね。

ただ忘れてはならないのは、公衆芸術や大聖堂に出資するというのは、巨万の富を築いた一族の正当化をも意味していたことです。

教会も政府も、教会の建設に富の一部が使われたとなると、商人の築いた財産を強く非難することはできませんでした。

ルネサンスの芸術における全体的な特徴として、解剖学的な正確さが挙げられます。

ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチの作品がその好例でしょう。

「解剖学的」というのは誇張ではなく、彼らは実際に解剖を経験し、人間の身体構造を研究していました。

人間のための環境としての自然もまた、ルネサンス芸術で花開きました。

「ヴィーナスの誕生」に見られるように、ボッティチェリの絵画は神話の女神に焦点を当てていますが、同時に田舎の自然で目にするような花々も描いています。

ただ、この絵の中でヴィーナスが服を着ようとしているようにも解釈できます。

そういう意味では、自然の世界と人によって作られた世界を念頭に置き、人間の体を解剖学的な精密さで描いたのかもしれません。

メディチ家の台頭

この時代においては、メディチ家の台頭も注目すべき出来事です。

メディチ家はフィレンツェで並外れて強力でした。

彼らは金融業で財をなし、芸術家たちにとっての重要なパトロンでした。

実際に、ミケランジェロは彼らの墓の一つを手掛けています。

コジモ・デ・メディチと彼の孫であるロレンツォ・デ・メディチは、15世紀後半のフィレンツェを支配しました。

一方で、メディチ家を引き継いだ人々は、次の世紀にローマ法王して、その権力とパトロンとしての支援を長期にわたって保持することになります。

ルネサンスと聞くと、現代の私たちでも何か憧れのようなものが連想されますが、それは現在が腐敗や退廃に満ちた時代で、そこから逃れるために過ぎ去ってしまって今はもうない素晴らしい時代に思いを馳せるからでしょう。

気になる英語表現

upheaval  激動

unleash  (感情/強い力など)を爆発させる

critique  批評/評論(フランス語)

wretch  不幸な人/不運な人

bring A B  AのところにBを持ってくる

hearken back to  (古)(過去の出来事や記憶)を思い出す

in some ways  いくつかの点で

living conditions  生活状態[環境・条件]

Is that a thing?  本当にあるの?

scour  (たわしなどで)をゴシゴシ磨く

prerequisite  必要条件、必須条件

crucial to  に極めて重要である、に不可欠である

composer  作曲家

city-state  都市国家

heartland  中心地

Afro-Eurasia  アフロ・ユーラシア(ユーラシアとアフリカを合わせた大陸)

phenomenally  並外れて

out there  自分の近くではないどこか

civic  市の、市民の

banking institution  金融機関、銀行

spring up  (ひょっこり)現れる

masterwork  傑作(=masterpiece)

stately  威厳(風格)のある

finance  を融資する

city government  市庁、市役所

condemn  を非難する、糾弾する

paganism  異教(多神教)信仰

anatomical  解剖の、解剖学の

dissect  を解剖する

cadaver  解剖用の死体

spectrum  スペクトル(波長やエネルギーの分布)、(思想や活動などの)範囲

mythical  神話の

goddess  女神、絶世の美女

discontent  不満、不平

perpetuate  を長続きさせる

Florence and the Renaissance: Crash Course European History #2

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